脳内『雨に唄えば』が繰り広げられるシーズンに突入

今週のお題「雨の日の楽しみ方」というか、雨の日に限って頭に浮かぶ唄というのが『雨に唄えば』です。

昔々、私がセーラー服を着ていた頃の話です。その頃の私は、雨の日はどちらかと言えば嫌いでした。

だって重い荷物に加えて、傘を差さなくてはいけません。それに大雨だとスカートのプリーツは取れて、竹輪状態になるからです。そして長靴をはいて学校に行くと、死ぬほど笑われてしまいます。今のようにおしゃれなレインシューズがなかったからね。

そんなある日、テレビでジーン・ケリー主演の『雨に唄えば』をやっていたのです。しかも一番有名な雨の中を唄いながらタップで踊るシーンを。(もしかしたら見たのは映画『ザッツエンターテイメント』だったかも知れません)
大雨の中(絶対にセットだけど)、すごく嬉しそうに(絶対に演技だけど)、唄いながら(そういう役柄だから)、タップを踊る(これはピカイチ)。
しかも後半になると傘も差さずに、水たまりの中でタップを踊るって、分別のある大人のやることじゃありません。

でもそこが良かったんだな。
これを見た次の日は、たまたま雨でした。傘を差しながら、重い荷物を持ちながら、いつもの通学路をとぼとぼと歩く私。
でも頭の中に流れているのは『雨に唄えば』のジーン・ケリーの唄。いつの間にか自分でも口ずさんでいたりして。

そうなるとスカートが竹輪になってもお構いなしで、気分は晴れ渡っているのです。そして学校に行けば、友達が『私も見た〜、良かった〜』って言ってくれるのが嬉しかったりして。

それからは頭上で傘を差す瞬間に、『雨に唄えば』のオープニングの軽快なメロディーが頭の中に浮かぶようになったのです。そこで終わることもあれば、歌詞まで突入することもあるし、もっと長ければジーン・ケリーが水溜りを大きくステップしているところまで行き着くこともあるのです。

不思議と6月のつゆのシーズンだけに限られた現象のようで、他のシーズンの雨にはこの曲は浮かんでこないのです。