そりゃやっぱり日本の夏はカキ氷でしょうよ

今週のお題「冷たくておいしいもの」ですね。
 昔は冷蔵庫がないから、真夏に氷ってすごい贅沢だったんですよね。枕草子に宮中でカキ氷を食べる話が出てきますが、『私ってばこういうセレブなこともしちゃって、スゴクない?』って言って気がします。庶民は食べられないけど、宮中の行事の真似事をしようということで、水無月というお菓子を氷に見立てて食べる習慣が出来たようです。

 江戸時代になれば、加賀藩が氷を将軍に献上していたそうですし、そうなると夏の冷たくておいしいもの『カキ氷』で決まりじゃないですか?

 家の冷蔵庫から氷を出してきてがりがりとやって、上からプラスチックの容器に入ったシロップを適当にかけて、クーラーの効いた部屋で涼むのは邪道です。

 今年は『節電の夏』ですし、正統派のカキ氷に挑んでください。まず、氷屋さんで氷を買うのです。一般家庭の氷と違って、氷屋さんの氷は透明です。だって2日間もかけて作っているんですよ。冷凍庫に入れて数時間で急激に凍らせたものとはわけが違うのです。
 以前にテレビで紹介されて氷屋さんは、天然氷にこだわっていて、真冬に水をまいて氷を少しずつ成長させて作っていましたっけ。そうやって真冬に作った氷を真夏までとっておいて、カキ氷として出すのです。

 そうなるとシロップだって凝りたいじゃないですか。そんなときに本屋さんで見かけたのが『おうちでいただく、ごちそうかき氷』という本です。中を見れば、かき氷のプロがシロップの作り方について、丁寧に書いてくださっています。
 これなら私だって、そんな遠くに出かけなくても美味しいかき氷が作れるかも…。

 そしてここまでセッティング出来たのなら、仕上げはぜひクーラーのない場所で食べていただきたい。体が外からも中からも冷やされるかき氷の食べ方として間違っていると思っています。『体を中から冷やす』だけが、『節電の夏』『日本の夏』にふさわしいかき氷であると思うのですが、いかがでしょうか?