「父との思い出」

今週のお題「父との思い出」ですか。思い出と改めて言われると、小さい頃のことを思い出します。それも母と一緒じゃなくて、なぜか父と二人だけで出かけた思い出ですね。

 ひとつは見知らぬ駅前で、父と一緒に喫茶店に入って生まれて初めて「プリン」なるものを食べさせてもらった思い出です。わざわざ電車に乗って、なぜ初めて見る駅に降り立ったのか、なぜ喫茶店に入ったかも覚えていないのですが、父が「プリンを食べるか?」とわざわざ聞いてきた覚えだけはあるのです。

 ただ今とちがってプリンは一般的なものでは無かったので、たぶん食べたことはなかったのです。それなのに父は私にわざわざプリンを勧めてくれている、きっとプリンが気にいると思っている。そんなプリンって何なんだろうとすごく期待して待っていたのです。

 それなのに出てきたのは黄色くって、上に黒いものが乗っかっている変な食べ物だったのです。生まれて初めて食べたカラメルソースを舐めただけで嫌になってしまって、手を付けずに終わってしまったのです。すごくもったいないことをしたようです。

 
 もうひとつの思い出は一緒に映画館に行ったことです。見に行ったのは総天然色カラーの映画で、当時はテレビが白黒だったのですごくびっくりしたことを覚えています。アメリカ映画で西部劇だったというのは覚えているのですが、内容はさっぱり。気がつくと父に背負われて、映画館の外にいたのですから、途中で寝てしまったのでしょう。

 覚えているだけで2回もあるということは、きっともっと二人だけのお出かけをしたことでしょう。それなのに娘が覚えているのはたったの2回だけ。反対に娘と二人だけで出かけたことを父が覚えているでしょうか?せっかくの父の日なので、ちょっと聞いてみたい気もします。