『ふるさと』よりは、『故郷』の漢字の方が好き

今週のお題「私のふるさと」

 私のふるさとは大阪府なんですけど、『両親は岐阜県出身だから、田舎=祖父母のいる岐阜県』という図式になってしまいます。長期休みになると電車に乗って何時間もかけてたどり着いていたので、いかにも旅行するという雰囲気があって好きでした。

 まず何時間も座ってなきゃいけないから、電車の中での暇つぶしを準備しておきます。
 本の類は乗り物酔いの原因になるから、NG。
 乗り物酔いを解消するために多少のおやつは、OK。
 あやとりや折り紙は大丈夫だし、お茶は必需品。

 電車に乗っているあいだはうんざりするぐらい長いんだけど、着いてからのワクワクを考えると我慢できちゃう。
 おじいちゃんが草履を編んでくれるし、おばあちゃんはとうもろこしをゆでてくれる。おばちゃんは畑でトマトを取らせてくれるし、おじちゃんは休みの日に車に乗せてくれるし、運がよければどこかの観光地に連れて行ってくれる。

 今になって考えると、本当に可愛がってもらったわけです。過去に戻ってお礼を言えるなら、丁寧に菓子折り持参でご挨拶に伺いたいぐらいです。でも祖父母はもういないから、お墓参りしか出来やしない。

 私が今住んでいる場所は、田舎です。だから、ここ数日は地域まるごとで『帰省で人がやってくるぞ』モードです。新聞広告は寿司の5人前とか、巨大なオードブルとかをやたらと掲載しています。
 近所のおばあちゃん達の立ち話が聞こえてきたら、『子供が帰ってくるから、準備がね』という話題だし、お店ではやたらと大箱の果物が売れているし、墓参り用の花や樒が飛ぶように売れているし、とにかく歓迎ムード満点です。
 普段は売れないような大鯛を抱えている人もみたからね。きっと帰ってくる人のために、重くても頑張って抱えて帰るんだろうな。ついでに料理も頑張る。

 『ふるさと』って場所も重要ですが、そこに住んでいる人との繋がりがないと、ただの旅行ですからね。今日も繋がりを求めて、日本列島を大移動する人たちがいっぱいなわけです。
 行く方も帰る方も大変ですが、とりあえず相手の顔を見て笑顔になれるのを励みに、もうひと頑張りしてください。