最近、誰かに叱ってもらいましたか?

 子供の頃はそりゃ叱られたものです。朝の『早く起きなさい』に始まって、夜の『早く寝なさい』に至るまで、一日中、叱られ続けていたものです。

 ところが大人になると、めったと叱られません。しかも社会人になると、注意はされるけど叱られはしないものです。大人になると変な意地も出てきちゃうから、叱られてしまうと人間関係がこじれて駄目になりそうで、どうしても一線引いちゃうのかもしれません。

 ところが恋愛においては普段からちやほやされ慣れてる女ほど、男から叱られると弱いそうです。『叱られる』という行為が新鮮なのでしょうね。
 『そんなに私のこと真剣に考えて、叱ってくれる人っていない』と、女が惚れちゃうそうです。『叱る』という行為は、時と場合によっては非常に有効な手段のようです。



 そういう私が珍しく、叱られちゃいました。相手はなんと化粧品売り場の店員さんです。此処のところ、急に寒くなって肌が乾燥気味だったのです。そんな様子なので、肌の調子がイマイチなのです。

 『でも、歳相応に老けていくのは仕方がないですよね』と、私が店員さんに振ったところ
 『いけません!ここで女を捨てては駄目です』と、叱られちゃいました。

 おお、此処のところ、だんな様だって私のことを叱らないぞ!
 親だって、既に大きくなってしまったから、子供である私を叱らないぞ!
 子供たちは私のことをあきれているけど、叱らないぞ!

 だから、店員が薦めてくれるお手入れ方法をいつもよりも熱心に聴き、いつもよりも真剣にお手入れしてみました。やっぱり肌の調子がグンと良くなります。
 これって真剣にお手入れしたから?それとも店員が薦めてくれた、新しいクレンジングのおかげ?

 あ、店員さんに叱られたもので、つい買っちゃいました。だまされたような、だまされてないような、不思議な心持ですが、まあ肌の調子が良くなったので、良しとしましょう。