今週のお題趣味は続くよ、どこまでも

 先週の『いいとも』でタモリさんが言っていましたが、『他人に止めろといわれて止められるものは趣味じゃない』そうです。好きだから、勝手に続けて、勝手に集めたり、やってみたりする、これが趣味でしょ。
 
 だから人生の一大事や変化に左右されても、ゆるぎない信念があれば『趣味は続くよ、どこまでも』となるわけです。そういう点では20年以上に渡って続いている趣味がありますね。そもそもは中1からスタートしているから、既にウン十年続いている趣味ですね。

 それは『ミステリーを読む』。

 中1の1学期に1冊の本を読んで感想を書くという宿題が出たのです。数年前にうちの子供たちにも同じような宿題が出ていましたから、中学の指導要綱はその頃から代わっていないのかもしれません。
 そのときに私が選んだのがシャーロックホームズの『緋色の研究』でした。子供向けのポプラ社の本ではなくて、新潮文庫を読んだのです。
 これがとても面白かったのです。そこでお小遣いをつぎ込んで全シリーズを買い揃えて読んでしまいました。そこからはお小遣いと相談しながら、徐々にいろんな本を揃えていったのです。

 でも読んでいくうちに気がついたんですよね。本格ものといわれるジャンルは古いと。だってドラえもんが出てきて、21世紀がすぐそこに、と言っている時代に1900年代初期の話をされてもね。若い私にとっては、時代錯誤ってものです。
でも時間をかけてエラリー・クイーンアガサ・クリスティは一通りは読んだ気がします。

 そして月日は過ぎて、自分で稼ぐようになると、本は買い放題です。好きなジャンルが出れば買っては売り、買っては売り、たまに残しておくといったペースでした。
 そのときに気に入ったのがレックス・スタウトなるアメリカのミステリー作家です。日本では翻訳された本が非常に少なく、評価が低いのが残念です。でもこの作家はとても面白いミステリーの作り方をしているのです。それは犯人を決めてからミステリーを作っていないのです。だから、どの話でも誰が犯人であってもおかしくないような複線が多数張ってあるのです。しかも文章の表現が豊かで、飽きさせないという点も魅力的です。

 翻訳本は当時から集めても手に入った本は10冊程度です。作品は100ほどもあるのに、そんなものです。
 お金にあかせて本を買っていた頃に、世間にはミステリー雑誌なるものが出ているのに気がついたんですね。昔は『EQMM』なる雑誌があったんですよ。これはエラリー・クイーン・ミステリー・マガジンの略です。ここでは日本で未訳の作品が載っている事が多かったのです。
 ここにレックス・スタウトの未訳の作品が載っていたので、そのときの雑誌を買い集めたのがあります。中には古本屋で偶然に見つけたものもあります。
 その中で長編は文庫として出版されましたが、中篇は雑誌に載って終わりでしたね。せっかく翻訳されても、お蔵入りになる作品は多く、文庫にするにはページ数が足りないものは雑誌に載って終了というのは、よくあったのです。

 数年に1度ぐらい『レックス・スタウト』で検索をかけると、まだ読んでいない作品が新しく翻訳されていることがあります。これを買って、またコレクションにするわけですね。
 死ぬまでに全部が翻訳されるとは思えませんが、こういう息の長い趣味もいいのではないかと思っています。

 第一、本当に我慢できなくなれば、原著で読めばいいだけですから。でも辞書と首っ引きは嫌だなあ…。読んだ気がしないもん。