バブル期のホワイトデーは半端じゃなかった

今週のお題「ホワイトデーの思い出」と言っても私の友人の話なんで、私は『人のふんどしで相撲をとっている』ひどい奴なんです。

 ホワイトデーということは、元にはバレンタインデーがあるわけです。ある年のバレンタインデー、もちろんバブル真っ盛り、青春真っ盛りのピチピチお肌の時代です。友人のはてなちゃんは、バブルの恩恵をふんだんに受けている会社に勤めていました。彼女と私のお給料は大して差がなかったのですが、ボーナスは段違いで、はてなちゃんの方がずいぶんと多かったのです。
 つい、うらやましっくて『いいな、いいな、羨ましい!!!』を連呼していると、彼女は『ココだけの話だけど、会社の営業職の男性って、私なんかとは比べ物にならないぐらいのとんでもない額のボーナスをもらっているんだから』と教えてくれました。

 まあね、『ココだけの話なんて』広まって当たり前ですから、彼女に聞くまでもなく有名な話だったんですけど。
 でもそこは友人ですから『まあ、知らなかったわ』と言って、さも初めて聞いたふりをしていました。今になって考えると、なんてずるくて青いんでしょう、私って。

 そんな会社なので、バレンタインデーは派手なイベントだったのです。会社の男性にチョコを配るのはもちろんですが、も女性が一人でいくつも買って、配るのは当たり前。連名でひとつのチョコをプレゼントなんて習慣はなかったようです。
 
 はてなちゃんもチョコを準備しましたが、その時に余分にいくつか買っておいたようです。そしてバレンタインデーにチョコを配って、配って、配り終えたあとのこと。余分に買っておいたチョコが一つだけ残ったのです。その残ったチョコを、彼女は会社を出るときに守衛さんにプレゼントしたのです。

 さて一ヶ月後のホワイトデーになると、今度はお返しがたっぷり。ボーナスをたっぷりいただいている営業職の男性からは、倍返しどころは数倍返しが届くのが当たり前。500円か1000円のチョコを配って、1万円のオーダーメードケーキが届いたと言っていたので、そうなると10〜20倍返し。

 そんな中、守衛さんからもお返しが届いたそうです。いろんなものをいただきすぎて、守衛さんからいただいたものを開けたのは家に帰ってからになりました。そしてびっくり、だって財布とパスケースのセットをいただいたんですよ。きっとオーダーメイドのケーキよりも高いはず。
 しかも『一緒にお食事に行きましょう』のメッセージまで入れられており、さらにびっくり。

 そんなつもりじゃなかったのに…。

 結局は誤解を解くのに、数日はかかったそうです。はてなちゃんは美人な上に、優しかったからね。後腐れなく、やんわりとお誘いを断るのに、時間がかかったそうです。ホワイトデーになると、ついこの話を思い出してしまいます。


 そういう私のホワイトデーは旦那様の手作りティラミスで終了です。
 本人曰く『無印良品のキットだから、味に間違いはないだろう』。確かに味に問題はありませんでしたが、上にかけるココアの量に問題があったかもしれません。食べる直前に夫婦揃ってむせるということは、やっぱり多すぎですよね?