くすぐったいほど『恋している』を実感できる本

今週のお題「夏に読みたい1冊」は『新編 日本の面影』ですね。小泉八雲が日本人よりも日本人らしく、日本と日本人の美点と美しさを褒め称えています。
こっちがくすぐったくなっちゃうぐらい、日本に恋しているラフカディオ・ハーンを実感できる1冊です。

新編 日本の面影 (角川ソフィア文庫)

新編 日本の面影 (角川ソフィア文庫)

実を言うと同じ題名の本をもう1冊持っています。
こちらは角川文庫からリバイバルコレクションとして発刊されたもので、すでに絶版しています。ビブリア古書堂の栞子さんだと予備として、さらに数冊は持っていそうだけど。

この2冊の本は短編からなるエッセーなのですが、中に入っている作品は違うのです。小泉八雲は勤勉な人で来日してから亡くなるまでの、忙しい教師生活の合間に実にこまめに著作を書き続けたのです。その結果、全集が出来るほどのたくさんの作品を残したのです。
小泉八雲の『怪談』は有名ですから、子供向けのお話で知ったり、英語の授業で興味を持った人もいらっしゃるでしょう。だからといって読むのは1冊ぐらい、なかなか全集を読もうとはならないものです。それに原書は英語ですからね。
昭和初期に発売されたものが図書館にあるのを見つけましたが、今は古書以外で全集は発売されていないようです。

小泉八雲の膨大な作品の中から、その時代にあった作品を選んで1冊にまとめて発行するというスタイルは多く、そういう本は多数あります。だから『日本の面影』で検索するといろんな日本の面影が出てきますが、それが全部一緒の内容というわけではないようです。

今回買い求めた『新編』のほうには、『杵築』『さようなら』という読んだことのない作品が入っていました。良いチャンスなので、家にある『怪談』も読み直してみようと思います。こちらも『骨董』の作品が一部入っており、オリジナルとは違った構成になっているという摩訶不思議な東洋の最果て日本の真価が発揮されています。