おとなになったんだから、やるべきことはやっておきたい

今週のお題「おとなになったら」ですね

おとなになったので、実家に置いてある着物を着ることにしました。今のうちに着ておかないと、一生着ないことに気づいたからです。

 

私が二十代の頃、親に着物を作ってもらいました。

周りの友人や同僚でもそういう人が多かったので、何の疑問もなく作ってもらったし、今ほど着物に対するハードルも高くなかった時代でした。

だから結婚前は友達の結婚式、自分の結納や挨拶と、それなりに着ました。でも結婚した途端に全く着なくなったのです。

 

だって自分で着付けできないし、着付けてもらっても、そもそも着物が畳めません。そのうち子供の相手がメインの日々が始まると、草履なんてとんでもない。ジーンズとスニーカーしか必要なくなったのです。

 

年月が過ぎ、子供達もおとなになったのですが、それでも着物を着る気はありませんでした。持っている着物はそのうち二束三文で売るつもりでした。

 

そんな私の気持ちを変えたのは、実家においてあった祖母の着物でした。祖母が養蚕して、自分で機織りして、縫った着物があったのです。

母に話を聞くと、母が嫁入りする時に祖母と曾祖母が自宅で養蚕して、機織りして、縫った着物を持たせてくれたそうです。昔は嫁入りの時に持ってきた着物で、生涯過ごす人もいたので、それなりの枚数を持たせてもらったのです。

その中で母が着潰されなかったものが、箪笥に残っていたのです。

私が小さい頃はまだ祖母宅で養蚕をやっていたので、家の前庭に桑の木を植えて、お蚕様にせっせっと食べさせていたのを覚えています。

その時の着物があるのです。少しは汚れがありますが、洗い張りすれば着れそうです。

 

そう考えると、心が湧き立ちました。

囲炉裏の蓋を閉じた広い部屋で風通しよくして、お蚕様を育てていた様子

客間の隅に置かれた祖母の大きな機織り機

そういう光景が明確に浮かんできて、懐かしく、愛おしくなるのです。

 

呉服屋さんに頼んで、対丈でも良いので、着物を着れるようにしてほしいと頼みました

頼んで半年ほど経ち、仕立て直しが上がってきました。

 

この着物を着るために着付けも習いました。今回は本気です。

だっておとなですから、やるべきことはやるのです

残念なのは、着物は袷なので着るのは秋まで待たなくてはいけない所です。まだ5月なのにマジで暑すぎです。