今週のお題おでんには気合が入るのだ

 自慢じゃないけど、鍋の中でもおでん作りには気合が入ります。他の鍋は市販のつゆを買ってきちゃうけど、おでんだけは100パーセント手作りです。

 しかもおでん作りには、時間がかかる。私の場合、おでんの日には昼食後から仕込みが始まります。

 まずは大根。厚めの輪切りにして、分厚く皮をむきます。ここでケチなことをすると、味がしみにくいのでご注意を。余った大量の皮もきんぴらに再利用されるので、ご安心ください。面取りと隠し包丁を入れて、下煮します。米のとぎ汁か、生米を少し入れた水で煮るのです。

 私はめんどくさがりなのでこの下煮のときに、ゆで卵も作っちゃいます。そうでなければ牛筋の下煮のときに、卵を一緒に煮ちゃうのです。その場合は卵が牛の脂でべたべたですけど、むいちゃえば大丈夫。個人的には硬いゆで卵は好きじゃないので、半熟卵ぐらいで引き上げちゃいます。
 どうせおでんにされちゃえば、固ゆでになっちゃうから。

 大根と同時に牛筋の下ごしらえもします。こちらは串を準備して、適当な大きさにカットした牛筋を刺していくだけです。長くてくねくねしている場合はとっても刺しにくいけど、適当に螺旋を描きながら刺していくのです。
 こちらは大根とは別の鍋で、下煮をします。灰汁を出すのが目的だから、ほどほどに沸いた湯に牛筋の串を入れていって完了。余り煮過ぎると、おいしさも逃げちゃうから色が変わったら引き上げて、氷水に浸します。

 後はこんにゃくと白滝の下ごしらえです。市販のこんにゃくや白滝はそんなにあくがないから、本格的に下ごしらえはしません。カットしてざるに並べて湯をかけるだけ、と言う場合もあります。
 たまに本当のこんにゃくを買ってきた時は、きちんとゆでますけどね。

 さて、メインのおつゆです。まずは昆布を水につけておきます。できればおでんと決めた日の朝からつけておくといいですね。でもそうじゃない時は、時間がないから煮ていきます。でも沸騰させないように時間をかけて、出汁をとっていきます。
 出汁が取れたら、お醤油、みりん、酒を入れて味を調えます。この時点で少し物足りないぐらいの味にしておきます。後で入れた練り物から塩分が出るし、たぶん煮詰まってくるからです。

 おつゆができたら、まずは牛筋から煮ていきます。牛筋と大根は最初から煮ていきます。卵は煮始めてから、30分〜1時間ぐらい経ってから入れます。卵にも軽く味がついたら、いったん火を止めます。

 ここでおつゆを冷まして、大根の芯まで味を行き渡らせるのですよ。数時間冷やすと理想的です。時間がない時は鍋ごと氷水につけると効果的だそうですが、そんなに大きな器は我が家にはありません。だっておでんを入れる鍋自体が大きいから。シチュー鍋で煮ているのですが、たぶん水が10リットルぐらい入ります。

 後はすごく簡単で、食べる30〜40分前になって煮るだけです。まずはこんにゃくを煮ます。ジャガイモを入れるときもこの段階で入れています。これより早く入れたら煮崩れるし、遅いと味がしみません。ロールキャベツも入れるならこの段階かな。
 こんにゃくとジャガイモが煮えたら、練り物を順番に煮ていきます。ここで煮る時間は少しだけ。温まったら終了です。
 角天、丸天、ごぼう天、はんぺん、ちくわ、三色天など、ここがたくさん入っていないと家族からブーイングの嵐なので、結構な量になります。ウインナーもとっても好評。

 鍋いっぱいのおでんを作って完成。こんなにたくさん作っても、2日分の夕食には足りません。1日分と次の日に少し出されるだけの量なのです。鍋物ってついつい食べ過ぎちゃうのですが、おでんの場合が一番食べ過ぎちゃうようです。
 鍋の中では手間が一番かかっているから、そうなるのかしら?友達の家ではおでんを作ると一週間は続くと聞いたので、上には上がいるようです。